2017年4月28日金曜日

2004年06月 ◆ 剣道修行の要諦(その三) ◆

  今回から“理合”の中の各要素について説明します。その中で特に重要なのは、“姿勢”と“呼吸”です。姿勢と呼吸は一体のものですが、分かり易くするために、姿勢から説明します。
 正しい姿勢が剣道の土台です。これができて始めて正確な技を行うことができます。正しい姿勢から正しい技が生まれるのですから、剣道を修めるものの、第一に心掛けねばならないことです。どんなに動いても、何回連続技を繰り返しても、正しい姿勢が崩れないことが大切なことです。
 姿勢は“姿”と“勢”から成り立っています。姿は外相。外から見た格好。勢は内相。充実した気勢といったらいいでしょう。どちらも呼吸と関係があります。
 姿勢には、静的姿勢(立・坐・臥の基本姿勢)と、動的姿勢(歩・走・跳等の動きつつある形及び動き出そうとする身構え等の動的姿勢の総称)があります。
 静的姿勢はいつでも動的姿勢に変化し、動的姿勢は静的姿勢に移行できるものでなくてはなりません。これを動静一如といいます。良い姿勢とは自然体。自然体とは最も自然であり、どこにも凝りがなく、如何なる身体の移動においても、又相手からの攻撃に対しても、敏速で自然に応ずることのできる最も自由な安定した姿勢であります。
 剣道では中段の構えを自然体といいます。自然体は顔を真直に向けて、首筋を伸ばし、顎を引き、両肩をひとしく下げ、背筋を真直にし、腰を立て、下腹部(丹田)に力を入れて両足先に意を込めて、両膝を軽く伸した姿勢です。

 姿勢 <姿・勢>丹田呼吸で心身一如。

 自然体は“上虚下実”といって、上半身の力を抜き、下半身が充実している状態です。(この項続く)

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