2017年4月28日金曜日

2004年09月 ◆ 剣道修行の要諦(その六) ◆

前回は、呼吸の意義と効果を説明しましたので、今回は呼吸の鍛錬法を説明します。
 剣道で呼吸が大事なことは判ってもらったと思いますが、知っているだけでは何の役にもたちません。実行することが大事です。
 種々方法はありますが、私達が稽古の始め、終わりに行っている「静坐」が一般的です。静坐は、第一に姿勢を調え、第二に呼吸を調え、第三に心を調えることから成りたっています。それを調身、調息、調心といいます。
 先ず、調身から説明しましょう。
 正坐のように両膝を立てて坐ります。両足の親指を重ね、両膝の間隔は約二十糎せんち位。腰をピンと立て、背筋を伸ばし顎を引きます。口の中に隙間がないように奥歯を軽く噛み、舌の先で上顎の歯の付け根を押さえます。眼は膝頭から一メートル位のところに視線を落とします。それを前から見ると眼が半分開いたように見えます。半眼といいます。手は右手のひらを上に向け、その上に左手のひらを重ね、両親指の先を付けて印を組みます。両親指の先が臍の高さで体に近く。肩の力を抜きます。体が調いました。
 次は、呼吸を調えることです。
 前号で説明しましたが、剣道の呼吸は長呼気丹田呼吸です。最初呼く息から、出来るだけ細く長く鼻からはきます。次に吸う息は、太く短く鼻から吸います。丹田は臍の下五糎位のところですから、丹田をイメージして行うとうまくいきます。
 次は心を調える要領です。
 心に雑念があるとそれが隙になって打たれます。隙を作らない方便として一つのことに意識を集中する方法で、呼く息をヒトー、吸う息をツー、次の呼く息をフター、吸う息をツーと数え、トーオーまで数えてそれを繰り返します。数息観といいます。途中で雑念が入ったらヒトーツーに返ってやり直します。(次の号に続く)

0 件のコメント:

コメントを投稿