2017年4月28日金曜日

2004年10月 ◆ 剣道修行の要諦(その七) ◆

静坐における調身、調息、調心について前号で説明しましたが、中でも調心が一番難しいようです。雑念を払って無心になることですが、剣道では一番大事なことで一番難しいことです。気長にやってみましょう。
 静坐をやって呼吸を練れば次のような効果があります。
 第一に直感力が養われます。雑念が入ると直感力は働きません。無心になっていると相手の動きが自然に自分の心に映ります。
 第二に集中力がつきます。一つのことに全神経が集中していると相手の動きに対応できます。
 第三に胆力がつきます。一般には度胸いいます。呼吸が丹田に収まっていると心が動かなくなります。
 第四は気位いが出てきます。気位いとは大変難しいことですが、気位いとは、鍛錬を積み重ねることによって得られた自信から生まれる威力、威風とでもいえるものでしょう。
 以上四つのことは、いずれも大事なことばかりです。

 ついでに“気”ということについて簡単に説明しましょう。気とは人間の生命の原動力といわれています。宇宙はこの気によって動いているのです。人間も又この気によって生かされています。私達人間はこの宇宙に遍満している気を、呼吸によって体内に取り込み、エネルギーに変えて体外に放出しています。そのエネルギーを気といいます。
 丹田呼吸を絶えず行うことによって気が旺勢になってきます。剣道ではそれを“気勢”といって大事にしています。  剣道の呼吸は、長呼気丹田呼吸です。呼く息を長く、吸う息を短く、然も一分間の呼吸の回数を段々減らす回数を努力してください。

  真人の息は踵(キビス)をもってし
  衆人の息は咽喉(ノド)をもってす

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